議会報告ASSEMBLY REPORT

2013.08.06 カテゴリ:2013年 五條市政治倫理条例

五條市政治倫理条例

議員発議により6月定例会で可決成立

(平成25年10月1日から施行)

 
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手である市長、副市長及び教育長(以下「市長等」という。)並びに市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格及び倫理の向上に努め、いやしくも自己の権限又は地位による影響力を不正に行使して、自己又は特定の者の利益を図ることのないように必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい認識と自覚を持ち、公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(市長等、議員及び市民の責務)
第2条 市長等及び議員は、法令等を遵守し、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を実証するとともに常に市民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なうようなことがあってはならない。
2 市民は、自らも主権者として市政を担い、公共の利益を実現する責務を負うものであることを自覚し、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)
第3条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1)市民全体の代表者として品位及び名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2)その権限又は地位を利用し、いかなる金品等の授受をしないこと。
(3)市及び市が関係する団体(以下「市等」という。)が行う請負契約(下請工事の請負契約を含む。)、委託契約、売買契約、賃貸借契約、物品購入契約その他の契約(以下「契約」という。)及び地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定(以下「契約等」という。)に関し、特定の者の推薦、紹介その他の有利又は不利な取り計らいをしないこと。
(4)市等が行う許可、認可若しくは処分又は行政指導に関し、特定の者に対して有利又は不利な取り計らいをしないこと。
(5)市等の職員(非常勤職員、嘱託職員及び臨時職員を含む。以下同じ。)の公正な職務の遂行を妨げ、又はその権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(6)市等の職員の採用に関して推薦又は紹介をしないこと。
(7)議員は、市等の職員の昇格、異動等の人事について関与しないこと。ただし、市議会議長(以下「議長」という。)が議会事務局職員の人事に関与することはこの限りでない。
(8)市から活動及び運営に対する補助・助成等を直接受けている各種団体等(以下「各種団体等」という。)の正副の長又は役員に就任してはならない。ただし、次に掲げる場合に該当するときはこの限りでない。
 ア 市長等が各種団体等の正副の長又は役員に就任するとき。
 イ 市等が定める規定等により議員が各種団体等の正副の長又は役員に就任するとき。
(9)政治活動に関して企業(事業を営む個人を含む。以下同じ)、団体等(政党その他の政治団体を除く。)から寄附等を受けないものとし、後援団体についても政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けさせないこと。
(10)その地位を利用して、市等の職員に対する物品等の販売その他市等の職員との各種契約の締結を行わないこと。
(11)市等の施設等の専有又は市等の施設での一切の営業、販売等をしないこと。
2 市長等及び議員は、前項各号に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。


(契約等に関する遵守事項)
第4条 市長等及び議員は、市長等及び議員の配偶者若しくは2親等以内の親族が経営をしている企業又は法人若しくは市長等又は議員が実質的に経営に関与している企業又は法人(以下「企業等」という。)に対し、市等に対する契約等を辞退させるよう努めなければならない。
 市長等及び議員は、前項の規定により企業等が契約等の申入れを辞退するときは、市民に疑惑を持たれないよう責任を持って企業等の辞退届を提出するよう努めなければならない。
 前項の辞退届は、市長等及び議員の任期開始の日から30日以内(任期開始の日後に第1項に規定する事実が発生した場合にあっては、当該事実が発生した日から30日以内)に、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。
4 市長等及び議員は、第1項に規定する企業等があるときは、その企業等の名称、所在地及び代表者並びに当該企業等におけるその役職又は親族関係等の関連を記載した関係企業等報告書を、任期開始の日から30日以内(任期開始の日後に同項に規定する事実が発生した場合にあっては、当該事実が発生した日から30日以内)に作成し、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。
5 市長等及び議員は、前項の規定により作成し、市長又は議長に提出した関係企業等報告書又はこの項の規定により作成し、市長又は議長に提出した関係企業等変更報告書の内容に変更がある場合は、その変更の内容について、前項に掲げる事項を記載した関係企業等変更報告書を作成し、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に30日以内に提出しなければならない。
6 議長は、第3項の辞退届、第4項の関係企業等報告書及び第5項の関係企業等変更報告書(以下「辞退届等」という。)の写しを市長に送付しなければならない。
 市長は、辞退届等の提出状況を五條市広報機関紙発行規程(昭和44年11月五條市規程第11号)に基づき発行される広報機関紙(以
下「広報機関紙」という。)で公表しなければならない。

(誓約書の提出)
第5条 市長等及び議員は、その職に就任後10日以内に、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長にこの条例を遵守する旨の誓約書を提出しなければならない。
2 議長は、前項の誓約書の写しを市長に送付しなければならない。
 市長は、第1項の誓約書を提出しない市長等及び議員があるときは、
その氏名を広報機関紙で速やかに公表しなければならない。

(政治倫理審査会)
第6条 政治倫理確立に関する必要な調査、審議をするため、法第138条の4第3項の規定により、五條市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
 審査会の委員は、7人とし、政治倫理の審査に関して専門的知識を有する者2人及び法第18条に規定する選挙権を有する市民(市等の職員は除く。)のうちから5人を、議会の同意を得て市長が委嘱する。
3 市長は、委員の選任に際しては、公平性及び公正性の確保に十分留意しなければならない。
4 審査会の委員の任期は2年とし、再任は妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 審査会の委員は、地方公共団体の議員及び長並びに政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
 審査会の会議は、公開とする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、出席委員の3分の2以上の同意を必要とする。
7 審査会は、委員の3分の2以上が出席しなければ会議を開くことができない。
 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
 審査会の委員は、特定の政党、候補者、市長等若しくは議員を支援し、若しくはこれらの者に不利益を与え、又は市政に影響を及ぼす目的のために、その職務を利用してはならない。

(市民の調査請求権)
第7条 市民は、市長等又は議員が第3条第1項及び第4条第1項の規定に違反している疑いがあるときは、これを証する書面を添えて、法第18条に定める選挙権を有する者の100分の1以上の連署とともに、文書で市長等のうち、副市長及び教育長(以下「副市長等」という。)に係るものにあっては市長に、市長及び議員に係るものにあっては議長に、議長に係るものにあっては市議会副議長(以下「副議長」という。)に調査を請求することができる。
 議長及び副議長は、前項の規定による調査の請求がなされたときは、市長及び議員に係る調査請求書及び添付書類の写しを市長に送付するものとする。
 市長は、第1項の規定による請求がなされたとき、又は前項の規定による調査の請求を受けたときは、10日以内にその書面の写しを審査会に提出し、調査を求めなければならない。

(審査会の調査)
第8条 審査会は、前条第3項及び次条第2項の規定により調査を求められたときは、必要な調査を行い、請求を受けた日の翌日から起算して60日以内に当該調査結果を市長に文書で報告しなければならない。この場合において、報告が市長及び議員に係るものであるときは市長はその写しを議長に、議長に係るものであるときは副議長にそれぞれ送付しなければならない。

 市長、議長又は副議長は、前項の規定による報告を受けた日の翌日から起算して10日以内に、その写しを請求者に送付するとともに、市長は広報機関紙で速やかに公表しなければならない。
 審査会は、第1項の調査を行うため必要があると認めるときは、関係者に対し会議に出席を求めて意見若しくは説明を聴き、又は必要な資料の提出を求めることができる。
 審査会は、必要があると認めたときは、公務所及び公私の団体等に照会して実態を明らかにするものとする。

(遵守事項の違反行為に対する調査及び処置)
第9条 市長、議長又は副議長は、市長等又は議員が第4条第1項に規定する契約等に関する遵守事項に違反している疑いがあるときは、これを証する書面を添えて、文書で副市長等に係るものにあっては市長に、市長及び議員に係るものにあっては議長に、議長に係るものにあっては副議長に調査を請求するものとし、議長又は副議長は、市長及び議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを市長に送付するものとする。
 市長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、10日以内に審査会に調査を求めなければならない。

(市長等及び議員の協力義務)
第10条 市長等及び議員は、審査会の要求があるときは、調査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べ、説明しなければならない。


(虚偽報告の公表)
第11条 市長は、市長等及び議員が虚偽の報告をしたとき、又は調査に協力しなかったときは、広報機関紙でその旨公表するものとする。

(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第12条 市長等又は議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に規定する犯罪その他職務に関連する犯罪により起訴され、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、身体を拘束されている場合を除き、副市長等にあっては市長に、市長及び議員にあっては議長に、議長にあっては副議長に市民に対する説明会の開催を請求し、当該市長等又は議員は説明会に出席し、又は釈明しなければならない。
前項の説明会の開催請求は、起訴された日の翌日から起算して50日以内に行わなければならない。

(委任)
第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
  附 則


(施行期日)
1 この条例は、平成25年10月1日から施行する。

(経過措置)
 この条例の施行の際現に市長等及び議員である者の第4条中「任期開始の日」とあるのは「この条例の施行の日」と、第5条中「その職に就任後」とあるのは「この条例の施行の日」と読み替えるものとする。 

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